●「続・知られざる日豪関係」(755)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”よき羊飼い”
クラーク神父とビル・ウォーデンが先頭に立ち、信頼できるタンガラレの偵察員四人、荷持ちと道案内に七人の少年伝令が従った。
それは難行苦行の連続だった。
ある時は草につかまって険しい崖をよじのぼり、ある時はすべりおちないようにつる草にぶらさがりながら進んだ。
いつものようにジャングルは決して平坦でなく、つねにとらえどころのない場所だった。
疲れてへとへとになりながらも彼らは三五マイルの険路を突破した。
三日目には食料が尽きてきた。