●「続・知られざる日豪関係」(759)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”よき羊飼い”


「決してそんなことはない」とクラーク神父はうけあって、
「あの新米の兵隊たちはわれわれみんなの敵です。
 あなたがたは賞められこそすれ、罰されたりなんかしませんよ」と答えた。
 それで安心した村の住民たちは旅人を精一杯歓迎した。
 食物が出され、宿泊所としてルマという一種の若者小屋が提供され、八マイル離れたゴールドリッジへ使いが走った。
 そこにはドン・マクファランが無線機と一緒に隠れていたのである。
 使いの者はまもなく“白人”食と歓迎の手紙を持って帰ってきた。