●「続・知られざる日豪関係」(760)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”よき羊飼い”
マクファランによれば、ナラとアメリカの勢力圏の間の地域には日本軍がうようよしている、クラークとウォーデンは一緒に降りられる時が来るまで、ゴールドリッジに留まってはどうか、というのだった。
しかし二人は、あと二、三日休んだら何とかして日本軍の領域をくぐりぬけて行こうと決心した。
一二、一三の二日間、二人はナラでゆっくり休養したが、たまたま近くの丘に登ってみると、そこからはルンガ平地と海がよく見えた。
川口支隊が総攻撃をかけているところで、まるで劇場に座って見物しているような具合だった。
飛行機が乱舞し、パラシュートがポッカリと浮び、船は走りまわり、大砲は火を吹き、そしてヘンダーソン飛行場は煙につつまれていた。