●「続・知られざる日豪関係」(761)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”よき羊飼い”
一三日の夕方遅くなって、マクファランからの使いが着き、平地に向う途中の四時間ばかり離れたベラナという集落へ向うよう言って来た。
ゴールドリッジの連中もそこで合流する、海兵隊の偵察隊が一行をアメリカ軍の境界線まで護衛するために送られてくるというのである。
しかし、この計画はうまくいかなかった。
二人は指定された地点へ行ったのだが、海兵隊もゴールドリッジの連中も来ていなかった。
境界線の南側地域には日本兵だけがやたらにうろついているばかりだった。
すっかり失望した神父は、海岸へ出る計画をあきらめ、ゴールドリッジへ直行した。
ここで一行は、下へ降りる道が再開するまで一緒に待っているつもりだった。