●「続・知られざる日豪関係」(762)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”よき羊飼い”


 また辛い苦しい登り坂ばかりの旅をして、九月一六日の午後五時頃、クラーク神父、ビル・ウォーデン、それに偵察員と人夫の一団がやっとゴールドリッチのキャンプへたどりついた。
 旅の仕上げとして、ベラナから来たいたずら好きの青年ガイドは、キャンプの歩哨たちを出しぬいて一行をそっと連れこんだ。
 それで彼らの到着は完全に予告なしとなった。
 安全の面からは完全とは言いかねたが、その時はだれもそれを気にかけなかった。
 そして新来の客は騒騒しい大歓迎を受けた。
 クラーク神父はすぐにケン・ヘイ流の洗練された監視員生活を紹介された。