●「続・知られざる日豪関係」(783)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”新しい目と耳”


 またこの新見張所は海岸から一〇マイル離れているため、天候が悪いときは沖合の日本艦船を見分けるのがむずかしくなった。
 その後メイスンが送った簡潔な報告に見られる問題の箇所を例示してみると、九月一六日、何も見えず・・・・・一七日、ファイジ見えず・・・・・二二日、ファイジよく見えず・・・・・二八日、モヤがかかって視界悪し・・・・・三〇日、軍艦多数あるも霧のため隻数は確認できず、といった具合である。
 ガダルカナル島ヘンダーソン飛行場に近い監視員たちの指揮中枢であるKEN局では、マッケンジー中佐がすでに監視網に生じた穴を心配していた。
 この一カ月、リードとメイスンは日本軍の空襲について貴重な予告を送ってくれたが、彼らはすべての日本機をキャッチすることはできなかった。