●「続・知られざる日豪関係」(784)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”新しい目と耳”


 たとえば八月二五日、二六日にブーゲンビル島の二人はともに敵機を見落し、次の地点であるニュージョージア島の監視員ドナルド・ケネディに発見されたが、余裕は三五分しかなかったので、迎撃は手おくれとなった。
 その後新しい敵飛行場がカヒリに設定され、サンタイサベル島のレカタ湾にも新しい水上機基地が開設されたので、探知困難な敵機の来襲はふえると思われた。
東京急行”を探知する問題もあった。
 ガダルカナル島の日本軍は補給を全面的にこの海上輸送に依頼していたので、輸送計画は厳守された。
 監視員たちはショートランドを出航する時間を厳密に測る方法で、駆逐艦は薄暗くなるまでヘンダーソン飛行場の爆撃機の行動圏外にとどまり、それから全速で走って北西海岸のタサファロンガで積荷をおろし、明け方までにまた行動圏外に出ることを知った。