「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”新しい目と耳”
チョイセル島行きをえらぶのはもっと簡単だった。
別の若い地区行政官ニック・ウォデルは一九四一年はじめてこの島に正式の政庁支所を設立した人物で、他の誰よりもその地域と住民をよく知っていた。
彼も上陸作戦のとき海兵隊に従軍し、今はマラリアが回復して、新しい仕事につきたくてむずむずしていた。
こうして人選は決まったが、どうやって彼らを選ぶかが問題だった。
ブルックス・バンクは任務を引き受けると、連合軍前進基地のエスピリツサントに戻り、ジョン・マッケーン少尉にPBY機を出してくれと交渉した。