●「続・知られざる日豪関係」(790)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”新しい目と耳”
だが、この時はどういうわけか話がすらすら運んだ。
ゴムリーの参謀長が潜水艦作戦を担当する南西太平洋潜水艦司令部に要望を伝えるとすぐに承諾の返事が来た。
グランパス号がブリスベーンを一〇月七日に発って次の哨戒に向うが、途中で監視員たちをベララベラとチョイセルに届けようというのだった。
九月の末までにジョスリンとウォデルはブリスベーンに携行する物資の収集に追われたが、どれだけ現住民をあてに出来るかは誰も知らないので、どのくらいの量を持っていけばいいか分らなかった。
少なくとも三カ月は滞留するのはたしかなので、少なすぎては困るし、たびたび移動するだろうと予想すると、多すぎてもいけなかった。
二人は転覆しやすいゴムボートで上陸することになるので、包装は防水を十分にする必要があった。