●「続・知られざる日豪関係」(807)

「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


 ”新しい目と耳”


 二人はびっくりしたが、潜水艦の乗組員たちが攻撃目標に接近した時に生まれる一種の熱気を感じとった。
 まもなくグランパスは、ビスビス岬沖で日本巡洋艦三隻と駆逐艦六隻を発見する。
 目標を選ぶと、クレイグ中佐は四発の魚雷を発射したのち急いで深く潜航した。
 命中したかどうかは分らなかったが、反撃は凄まじかった。
 一六発の水中爆雷が降りそそぎ、バックギャモンで遊んでいたウォデルはその衝撃で投げ出されてしまった。
 追いつ追われつの四日間が過ぎ、監視員たちをすぐ送りこめという新しい指令が来た。