●「続・知られざる日豪関係」(811)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”新しい目と耳”
それは嬉しい再会となった。
ベニはすぐチョイセルの日本軍について知っているだけの情報を話してくれた。
島の北端に少数が駐屯しているが、ほかにはどこにもいない、というのである。
ベニは話を聞くと監視部隊を編成するため、ウォデルが以前使っていた二人の巡査を集めようと出て行った。
二日はかかりそうなので、その間二人の監視員は、服を乾したり、銃の手入れをしたりして時をすごした。
この間に、当面の重要問題も議論しあった。
彼らは上陸するときウイスキーを二本だけ持って来ていたのだが、それをすぐ飲むべきか、それともできるだけ延ばして、何か特別な場合を待つか ── だが結局二人はすぐに飲んでしまった。