●「続・知られざる日豪関係」(816)
「─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
”新しい目と耳”
サイラスはまた、メソジスト派宣教師のA・W・E・シルヴェスター牧師がまだベララベラにいて、島の南端ビルアに住んでいるはずだと語った。
それを聞いてジョスリンは通信機を修理しに一五〇マイルの旅をする前に会ってみよう、と決心した。
結局彼自身が出かけ、キーナンの方は残留して監視所を作り、偵察員を集め、イリンギラにいる日本軍の偵察を開始することにした。
サイラスがすぐにカヌーを調達してくれたので、ジョスリンは暗くなる前に出発した。
日本の空軍力が増大するテンポを見ては、もう一ときもぐずぐずしてはいられない、と思ったからだ。
スロットを下っていく飛行機の大群は、ヘンダーソン飛行場を奪還し、ガダルカナル島から米軍を追い落そうとする日本軍の第三次攻勢を予告していた。