「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より
実力行使
そこで付近に住む二人の酋長に手紙を書いて、協力するよう招きよせた。
一人は断ったが、もう一人のジョー・ツルカイアは手伝うと約束をした。
神父の計画では、すべての準備ができたら、ハンター岬に行って彼自身で待伏せ攻撃を指揮するつもりだった。
しかしジョー・ツルカイアは次の通信で仕事はもうすんだと、伝えてきた。
日本兵九人のうち八人を殺し、送信機は海に放りこんだという。
無線技師だけがどうやら逃げてしまったが、ジャングルに一人で隠れている日本兵は少しも怖くなかった。
実際、彼の姿を二度と見たものはなかった。