●「続・知られざる日豪関係」(853)

「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


  “東京急行”を撃滅せよ


 海軍は初期の戦闘で失った兵力を補充していた。
 また後方基地との航路が確保され、増援部隊と補給物資が着実に島へ運ばれていた。
 一〇月三〇日には、重砲が・・・・・・一一月四日には海兵隊の一個連隊が・・・・・・一一月一一日、さらに海兵隊、弾薬、食糧が・・・・・・一一月一二日には第一八二歩兵連隊が到着した。
 沿岸監視員の警告に応えて、海兵隊空軍は全力をあげて”東京急行”を迎え撃った。
 しかし田中提督は十分にタイミングを心得ていた。
 何隻かは進撃の途中で損害を受けたが、大多数はうまく切りぬけた ── 一一月二日から一〇日までの間に延べ六五隻の駆逐艦が往復したのである。
 ついでファイジ沖の大船団にも運をためす番がきた。