●「続・知られざる日豪関係」(869)

「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


  “東京急行”を撃滅せよ


 一四日の早朝、彼はふたたびビルアに戻ったが、そこではシルヴェスター師が担当地域の酋長を情報作業に組織するために集めたところだった。
 割当てをきめるのにもう一日かかりそうだったので、新しい送信機をキーナンのもとに送ってもらった。
 そしてその日の夕方から送信が始まり、ヒュー・マッケンジーが興奮して聞いたのは彼の声だったのである。
 ジョスリン自身が根拠地についたのは一五日のことで、そこで分ったのは留守にしている間、彼の相棒がひどく忙しい日を送っていたことだった。
 キーナンはデネオという地点にステーションを設けていたが、そこはムンディムンディから三マイル奥で、一〇〇〇フィートの高さがあった。
 拠点には尾根があり、彼は尾根の頂上の木の中に見張所をもっていた。