●「続・知られざる日豪関係」(871)

「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


  “東京急行”を撃滅せよ


 今までのところ日本軍はあまり活動的でなかったが、デネオからは彼らのしていることが何でもよく見えて、逐一報告された。
 島のほかの場所で起こったことは、ジョスリンの作った現住民たちの連絡網によって十分カバーされた。
 彼と酋長たちの会談は大成功で、全員が協力を約束していたのだ。
 具体的には哨所を海岸沿いの一四ヵ所に設けた。
 哨所には常時だれかがいなくてはならないが、畑仕事の邪魔にならないよう当番表が作成された。
 見張員は飛行機や船のあらゆる動き、敵の上陸、いかなる墜落機についてもすべてを報告するよう要求されていた。
 初仕事は、一一月一八日に起こった。
 その日ラヴァ―ン・ソンダーズ大佐が一八機のB - 17を率いてスロットを上り、ブイン爆撃に向った。