●「続・知られざる日豪関係」(874)

「 ─ソロモン諜報戦─ 南太平洋の勇者たち ウォルター・ロード/秦 郁彦訳」より


  “東京急行”を撃滅せよ


 次の仕事は、搭乗員全員をベララベラ島へ移すことであった。
 その方が、食事、治療、連絡の点でも、最終的な救出のためにも好都合と思われた。
 日中は日本の偵察機が多くて危険なので、暗くなってから彼らは漕ぎ出して、サイラス・レザツニがいるパラマタ集落に上陸したが、豪胆な酋長はいつもと変わらずいろいろと骨を折って世話をしてくれた。
 彼はどこからか毛布や食事やおまけにナイフやフォークまで探して来てくれた。
 その間に伝令が何人も派遣された。
 一人は見張所へかけつけて、ジョスリンに今までのことを知らせたので、彼はKEN局と連絡して、彼らを拾ってもらう打合わせをすませた。  
 別の一人は海岸を下り、島を横断してビルアのシルヴェスター師のもとへ走った。